ハコヅメ〜たたかう！元刑事課女子〜2

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ＮＯ side

同じ頃、藤と牧高は被害者である清水彩菜の家を訪ねていた。


母「あの、話っていうのは…？」


牧高「娘さんに、先日の事件について確認したいことがありまして、」


母「確認？」


藤「まずは、彩菜さん本人からお話伺いたいんです。今娘さんは？」


母「それが、この間からずっと部屋にこもっていて、学校にも行ってなくて…すいません。日を改めて頂けないでしょうか？お願いします。」


一瞬視線を落とす藤。


藤「分かりました。では、これで失礼します。」


・


その頃、藤と白馬がそれぞれ捜査に向かった頃、町山交番では


伊賀崎「北条係長から。藤くんと白馬くんをもう少し借りていいか？って」


川合「被害者の方の聞き取りって、？」


伊賀崎「何も聞けなかったみたい。」


川合「なんで気づいてあげられなかったんだろう…」


小さい声でそう呟き、机に頭を落とす。


川合「せっかく彼女が勇気を出して警察まで来てくれのに…」


頭を上げると、繰り返し頭を机に打ち付ける川合。

それを伊賀崎が止める。


伊賀崎「きっとさ彼女、最初は話そうとしたけど怖くなったんじゃないかな？ほら、警察に話して犯人に脅されたらどうしようとか。大事になって学校で噂立てられたらどうしよう、とか。色々考えて話すのやめたんじゃなかな？だから、もうこれ以上自分を責めるのはやめなさい。そして、頭を机にぶつけるのもやめなさい。」


川合「でも…」


伊賀崎「でも、でも。これでも食べなさい。」


そう言ってそっと大福を取り出した伊賀崎。


川合「すいません、今は…」


川合はとても食べる気にはならず返そうとするが

伊賀崎はそれを遮る。


伊賀崎「1個300円、私のとっておきだよ。」


川合「いや、でも…」


伊賀崎「でも、いいから。でも、でもいいから。甘いもの食べて。」


大福を食べた川合は決意したような表情をしていた。

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