ハコヅメ〜たたかう！元刑事課女子〜2

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川合 side


苦しそうに顔を歪めながらも、何とか “安田大二郎” という言葉を紡いだ白馬さん。山田さんが言葉をかけながら、背中をさすり続けたおかげか、白馬さんはやっと落ち着いた様子でもう一度話し出した。


『安田大二郎、ですよね？』


山田「えっ！？」


白馬さんがその名前を口にした瞬間、場の空気が変わった。私以外のみんなはその名前を知ってるみたい。


藤「うん、似てるね。」


川合「誰ですか？それ。」


源「3年前、強制わいせつで検挙したやつ。」


山田「え、でも、今やりますか？あいつ弁当持ちのはずですよ？」


川合「弁当持ち？」


『執行猶予中ってこと。』


山田「それに被害者高校生っすよね？あいつ、根っからの子供好きだったはずじゃ…」


藤さんが山田さんの足を蹴った。


山田「いっ！？たあああああ！！！！！」


『…』


みんな白馬さんを見ている。そんな中、源さんが言葉を発する。


源「被害者、かなり小柄だったな…」


怖い顔をしている源さん。私でも分かるほどのとても悪い空気。3年前、一体何があったのか…


北条「鈴木、安田の写真を出せ。」


鈴木「はい。」


鈴木さんが出した写真と、私が描いた似顔絵を見比べるとそっくりに見えた。


川合「これが早見くんが伝えたかった顔…」


みんな怖い顔で写真を見つめていて、白馬さんは落ち着いたようにも見えるけど、その顔色はまだ悪いようにも見えた。


鈴木「係長！ここ2ヶ月の間に隣の村川署管内で女子中高生が襲われた事件が5件発生してます。」


源「もし全部安田の犯行だったとしたら相当デカいヤマになりますよ。」


山田「特捜立ちますね。」


北条「源、山田。山田の身辺洗え。」


源 山「「はい。」」


係長がどんどん指示を出していって、刑事課が突然動き出す。何もできずにいると、藤さんが声をかけてくれた。


藤「川合、似顔絵捜査官に必要なのは絵の技術だけじゃない。供述を引き出すセンスと、その本質を見抜く洞察力。あんたにはその素質があるのかもしれない。」


川合「私に？」


『川合のおかげで捜査が動き出した。お手柄。』


白馬さんがそう言ってくれて、白馬さんが何を抱えているのかも、何が起きたのかも分からないけど、力になれたのなら嬉しかった。


北条「藤、川合。うちは手が足りない。だから被害者への聞き取り、頼んでいいか？」


『私は？』


北条「いや、お前は…」


『大丈夫です、行かせてください。』


北条「…分かった。」

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