ハコヅメ〜たたかう！元刑事課女子〜2

門前払い ページ24

川合 side

彩菜さんの聴取に、藤さんと白馬さんと来たが…


母「しばらくそっとしておいてもらえませんか？お願いします。」


彩菜さんのお母さんに門前払いされただけで、会うことさえできなかった。


《拝啓、お父ちゃん。

あの時私は彩菜さんのために何もできていませんでした。

でも、


『お母さん、お願いします。少しでいいんです。彩菜さんのためにも、話を聞くことが必要なんです。』


何度も、頭を下げてお願いする白馬さんに、いつもの冷静さはありませんでした。


藤「A、1回もう…」


『けどっ、』


藤「お母さん、すみません。もう少し彩菜さんが落ち着いてからで構いません。失礼します。」


それ以上追求することをやめた藤さん。

いつもと様子が違う白馬さんを見ていることしかできませんでした。

そんな私が何故か合同特別捜査本部、通称特捜に入れられることになり、


藤「川合、緊張しなくていいから。」


川合「はい！」


特捜の扉を開くと、怖い顔のオンパレードでまさに強面選抜大会だったのです。


・


山田 side

川合の似顔絵で捜査が動き出して、Aと藤先輩と川合が彩菜さんの聴取に行った日の夜。

俺は、自分の仕事が終わり、Aの部屋の前に立っていた。

Aは、落ち着いたフリをしてたけど、絶対まだ落ち着けてない。それが分かっていたから、Aの部屋に来て、チャイムを鳴らすと返事はない。


山田「A？いる？」


返事がない。ドアノブに手をかけると、ドアが開いた。


山田「A？」


心配になって、思わずドアを開けて部屋に入ると、『っ、はあっ、』また苦しそうに過呼吸になっているAがいた。


山田「おいっ、A！？大丈夫か！？」


『はあっ、やっ、やまだっ、』


山田「大丈夫、俺だ。落ち着け。ゆっくり、息できるか？」


何回かやっているように、Aの背中を擦りながら、Aに声をかけ続ける。だんだん落ち着いてきたみたいで、普通に話せるようになってきた。


『やまだ、ごめ…』


山田「謝んな、大丈夫だから。」


『…ん、』


山田「それより！焼肉しようぜ！ほら、買ってきたから！」


そう言って、買ってきた焼肉を見せると一瞬驚いた顔をしながらも、笑顔になるA。来てよかった。


・


you side

目が覚めると、ベッドに寝ていて、山田はもういなかった。片付けられた食器と、丁寧にかけられた毛布。それに、焼肉代、今度払えよ。の文字。ったく、山田のくせに。

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