ハコヅメ〜たたかう！元刑事課女子〜2

詐欺 ページ10

藤 side


いつも通り出勤してきたA。


川合「白馬さん！もう大丈夫なんですか？」


『ごめんね川合。もう大丈夫だから心配しないで。』


藤「無理、しないでよ？」


『はい。』


そう言って頷いたAは、こちらを見ていたけど目は合わなかった。


・


昨日、川合が聴取した女子高生の事案の報告書を見ていると

横からAも覗いてくる。


川合「やっぱり気になります？」


『川合、ごめんね。一人でやらせて。』


川合「いえ、」


藤「これってさ…」


「すいませーん！」


話そうとすると、交番に女性が訪ねてきた。

3人で出ていくと、ちょうどハコ長も戻ってくる。


「ここって町山交番ですか？」


藤「どうかされました？」


すると女性は、ハコ長を見て話し出した。


「あっ、ねぇ聞いて聞いて！」


伊賀崎「私ですか？」


「えぇ。うちに電話がかかってきたの。町山署の山本さんていう刑事から。」


『山本？』


「私の口座が悪用されてるって。だからキャッシュカードと通帳を預からせて欲しいって言うんだけど…」


話を聞いて思わずハコ長、A、川合と顔を見合わせる。


『あのお名前は？』


「木村です。」


藤「木村さん、これは詐欺です。」


木村「え！？」


『警察官がカードを預かったり暗証番号をお聞きしたりすることは絶対にありません。』


川合「そもそも私たち下々の警察官は警察組織からそこまで信用されてないんです。もしそんな貴重品、私みたいなのが預かったら上司からすっごく怒られます。」


伊賀崎「川合くんが言うと説得力があるね。」


藤「いつ頃お電話がありましたか？」


木村「ついさっき。」


伊賀崎「おっと、？」


『ほーう、？』

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