水萌 夕空 の過去 -II - ページ3
私が幼稚園にいた時だったかな、くっくーと颯斗に出会ったのは。
その日はとても晴れていた。入園式にぴったりだった。
初めての幼稚園に、私はビクビクしていた。
その時、私に話しかけてきてくれたのが、颯斗だったんだ。
「ね!!きみ、おなまぇは??✨」
『ふぇ?わたし?』
「うん!!」
『…みなも、ゆあ…きみは?』
「ぼく?ぼくはね!はやと!とぉのはやとだよ!!」
無邪気に笑顔を見せる彼、颯斗に、私はその時、不思議でしかなかった。
…なんで、こんなに輝けるのだろう、と。
でも、この出会いをきっかけに、私は颯斗と知り合えたんだ。
『はやとくん!いっしょにあそぼ〜!』
「い〜よ!ゆあちゃん!」
毎日、こうして遊んでいた。
そしてある日、私たちは約束を交わした。
『ね、はやとくん』
「?どしたの?ゆあちゃん」
『わたしね!お〜きくなったらはやとくんのおよめしゃんになりゅ!!』
「え!!ほんと〜に!?やったぁ!!」
『えへへ!やくしょくね!』
「う!やくしょく!!」
あの日、カランコエが咲く公園で、私は颯斗と指を絡んで約束をした。
そして、年長に上がった時にくっくーと出会った。
「ぁ、ゆあ!ぶつかッ」
『え?』
ドンッ!!
「ッ…て…」
『い``ッ…あ、ご、ごめんなさッ…』
誰かにぶつかった、と思い、謝ろうと思ったが、
その人は私に目線を合わせてこう言ってくれたんだ。
「わりッ、けがしてねェか!?」
『ぇ…』
心配してくれている、と心からわかった。
だって、その人は私が擦りむいたところに絆創膏を貼ってくれたり、ずっと謝っているのだから。
優しい人だな、と思った。…ちょっとこのころからヤンキーっぽかったけど。
『えっと…ありがとぅございましゅ…』
「ゆあをたすけてくれて、ありがとぅございましゅ!」
私と颯斗から両方に言われ、ちょっと照れながら「いいってことよw//」と言った。
そして私たちは名前を言っていなかったことに気づき、自己紹介をした。
私を助けてくれた人物。それが秋宙 空、くっくーだった。
そこからだった。私たちがもっと仲良くなっていくのは。
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*キーワード*
カランコエの花言葉は「幸福を告げる」です。
きっと、奇病棟脱出ゲームの方を見ている方でしたら、
何故この花にしたのか、わかるかもしれませんね。
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