空の街

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それからも須藤とは毎日仕事終わりにご飯を食べて、週末はドライブして、信号待ちで運転席を見たら須藤は風に吹かれて気持ち良さそうに海を眺めていた


「ねぇ毎週会ってるけどさ、須藤他にする事あるんじゃないの…？」

「別にないっす」

「前は休みの日にセミナーとかよく行ってたじゃん」

「今特に行きたいのないんで」

「じゃあ図書館行く…？」

「何か借りたい本あるんすか」

「私はないけど…ビジネス書とかよく読んでたじゃん」

「最近ネットの方で読むんすよね〜あぁでも本いいかも。別世界に飛べるんで。来週図書館行ってみます？」

「もうほっといてくれても大丈夫だよ？」

「そのブサイクな腫れてる目誤魔化すの上手くなってから言ってもらっていいっすか〜」

「ひっど！！」


笑う須藤は楽しそうだけど


「…でもさ、」

「迷惑ならやめますけど」

「別に迷惑じゃないけど…、」


正直助かってる。
一人で過ごす時間はまだろくな事を考えなくてすぐに泣いてしまうくせがついていて、誰かといれば気が紛れるのも確かで


「明日も何かあったら電話下さい」

「大丈夫だよ1日くらい」

「多分21時にはホテル戻れると思うんで」

「だから大丈夫だって」

「Aさんの大丈夫は信用してないんで〜」


車がまた動き出せば、その横顔は


「…本当イケメンだよね須藤って」


「……。……だったら俺と付き合います？」


「そこまでお世話してもらわなくて大丈夫です〜〜」


勝手に流れる景色は、誰かにじゃなくてそろそろ自分で変えて行かなきゃいけない気がして、前を見た

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