誇り高き仮面アイドル (ページ8)

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言葉の綾って知ってる? ページ8

「……俺もそれ分かる」

『え、朔ちゃんも?てっきり、清楚で静かな子が好きなんだと思ってた』

「それって、遠回しに”自分がタイプ?”って聞いてる?」

「もう、透くん!私がそんなこと言うわけないでしょ?」

一瞬「何言ってだ金髪頭」って言葉が出かけたけど、今は仕事中だと自制をして何とか堪えた。

笑顔という名の圧をかけていると、透はピシッと背筋を伸ばして「冗談だよ～」と返した。

表情と声のトーンで分かりにくいけど、私の圧がちゃんと効いたみたい。

「俺自身が静かだから、明るい性格の子が好きなんだ。色んな話を聞かせてほしいって言うか」

「朔ちゃんは聞き上手だもんね!……あ、そういえば僕のことよく明るいって言ってくれるよね?

　それってもしかして僕のことが好きってこと?」

『ねぇ、さっきも似たようなこと聞いたよ?』

何でそんなに”自分のことが好きなんでしょ?”ムーブしてるんだ。私が知らない間に流行ってるの?

すると、「そんなこと言ったら」と椿さんが口を開いた。

「俺だって、朔夜に”椿さんは元気で明るい方ですよね”って言われたことあるぜ?」

何でそこ張り合ってんだよ。あと、恐らくその言葉の真意は褒めてないと思う。

朔夜のことだから、椿さんの性格を棘のないようにオブラートに表現しんだろうなぁ。

ストレートに言ってしまえば、シンプルに騒がしい。

地頭がいいから馬鹿騒ぎみたいなことはしないんだけど、常にテンションが高いからたまに疲れる。

「みんな朔夜のこと大好きじゃん。はぁ、こいつは俺のなのになぁ」

「別に透のじゃないけど」

「即答!!ちょっとはノってくれよ!これじゃあ、俺がフラれたみたいになっちゃうだろ!?」

その瞬間、記者さんとスタッフさんの笑い声が室内に響いた。

透は割とオールマイティキャラだから助かるんだよね。

女好きのチャラ男からノリのいいお兄さんまで、色んなタイプを演じることが出来る。

まぁ、今の会話は少し素に近かったけどね。

「え……今の告白だったんだ。ごめん」

「”フラれた”は言葉のあやだから!そのまんま受け取るなよ。あと、地味にフるな!!」

「百戦錬磨の色恋お兄さんも朔ちゃんは落とせないんですね」

そうスバルさんがからかうと、透は「難攻不落どころじゃないっすよ」と笑って返答した。

＿＿＿本格的に透と朔夜で公式ペア組ませようかな。